【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】


秋一さんは、イメージ的にサプライズとかがあまり好きでは無いのかと思っていた。
社長に就任したときも、花束をもらったりしても、あまり嬉しそうじゃなかったから。
てっきり、嫌いなのかと思っていた。

「よかった。指輪のサイズぴったりだな」

「……ありがとうございます。とても嬉しいです」

「夫婦の証だ。ずっと付けておこう」

「……はい」

生まれて初めてもらった結婚指輪は、ひと粒のカワイイダイヤの付いた、シンプルなデザインだったけど、指輪の内側に、お互いの名前の刻印が入れてあった。

……えっ、またサプライズ。サプライズばかりで、なんだか楽しい一日だった。
これも全部、秋一さんのおかげ。ありがとう、秋一さん。

「……あの、秋一さんは、結婚指輪をずっと付けてるのは難しいのではないですか??」

「なぜだ??」

「だって、秋一さんは今でも独身ということになっていますし……。もし結婚していることがバレたりしたら、その、秋一さんが困るのではと思いまして……」

結婚指輪なんか付けていったら、結婚しているがバレる故、問いただされるのでは??と心配している。
しかも妻が秘書ともなれば、公私混同とみなされ、わたしは秘書を解雇されるかもしれない。
そんな不安が頭をよぎってしまう。

「何。そのことなら、心配いらないよ」

「えっ??どういうことでしょうか??」

「安定期に入ったら、みんなにも俺たちが結婚していることを報告するつもりだから」

「……はい??」

え、え??今なんて……!?
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