組対のデカ
 俺たち組対には直接影響してくることじゃなかったが、何かが怪しい。
 

 警察は検察内部の情報を探る手筈でいた。


 大口が言ったことは単なる口実じゃないかと思い。


 ウソなどいくらでも付けるのだ。


 長谷川が民自党の政治家の汚職事件を追っているのは分かっていたのだが、その長谷川が謎の転落死を遂げた。


 ビル屋上から落ちることで。


 あの不自然な状況をどう説明すればいいのか……?


 確かに長谷川が死亡することで、得をするのは河村組や大塚会などの暴力団だろう。


 その連中の動きを警察は常に警戒していた。


 組対四課のデカたちは絶えずあの連中を張っていたのだし、俺たち組対五課も北へと送られる手筈だった物品のチェック等は随時行っている。


 組対の仕事はずっと続くのだ。


 組織犯罪対策の要である以上。
< 139 / 259 >

この作品をシェア

pagetop