組対のデカ
　公安部の課長クラスの人間たちも、聴取を受けたことは聞いている。


　西新宿署内の帳場はずっと忙しいようだ。


　荒井が来る前から、あの捜査本部はだいぶ荒れていた。


　何せ速水も女性刑事ながら越沼とは対等に渡り合っていたのだし、喧嘩腰になることすらあったのである。


　何があの警官たちの衝動を駆り立てるのか分からなかったが、おそらく警察も迅速に事件を処理できるよう、必死になっているのだ。


　特に速水は生前の長谷川から疎まれていて、口汚いことは散々言われていた。


　そして長谷川は一課でも越沼の方に目を掛けていたのである。


　長谷川の越沼に対する期待が過大となっていて、いずれ越沼の方が一課でも上の方に行くと踏んでいたようだった。


　昔の刑事は女性に冷たい。


　特に今のように一課にも女性警官がいる時代である以上、昔からデカをやっている人間は何かと女性警察官を疎んじていた。


　だが今回の長谷川の転落死が仮に北川の犯行であった以上、容疑者を取り調べるのが義
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表紙・目次

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