組対のデカ
 また三課長の丸岡と会う機会がないかどうか、気に掛けている。
 

 当時の上司の片桐は退職済みで、今は都内の自宅で余生を送っているという。


 右翼と暴力団の癒着は絶えなかった。


 それに公安第三課の刑事たちは転落死したマル暴の長谷川とも付き合いがあり、何かと裏の情報に詳しい。


 丸岡は公安第三課長として、今日も午前九時の執務時間から公安部のフロアで仕事をしているようだ。


 普段ずっとデスクに座り、パソコンなどを使って知り得た捜査情報を一課や組対など、桜田門の他の部署に流している。


 これは警察内部では掟なのだった。


 捜査情報が漏洩するのは本来なら許されないことだが、警察上層部が認めている以上、部署間で漏れてしまう。


 馴れ合いといえば馴れ合いだ。


 同じ警視庁にいて、凶悪犯罪を解決するためなら、何でもありのようなところがある。


 今回の長谷川転落死事件は一課が主導して追っていたのだが、依然第一容疑者の北川は
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