組対のデカ

　警察の捜査を長谷川転落死の一件だけに向け、照準を絞るようにして。


　これがまさに警察内部におけるクーデターのようなものだ。


　大口が入院先からウソの指令を出していることも念頭に置いておかないと危ない。


　一連の事件に検察が複雑な感じで絡みつつあった。


　大塚会の北川の指紋が長谷川の残したワープロ打ちの遺書に付いて残っていた事実は曲げようがない。


　組対部では物品の調査を急いでいた。


　外務省や内閣官房に積荷をチェックした結果を教えないといけないからだ。


　俺たちも何かと慌しい日々を送っている。


　さすがに裏方である以上、地味な捜査が続くのだし……。


　刑事部が必死で動いている以上、組対部はブツの解析に専念しているのだし、公安部も裏で動くだろう。


　丸岡も銃を携帯している。


　おそらく公安部の職員たちは皆、銃器を持っているものと思われた。