組対のデカ
「安藤」


 ――何ですか?五課長。


 倉田から無線に連絡が入る。


「君は鐘ヶ江勇次郎と篠原優子を撃て。俺たちは大塚会の山本陽一の方を片付ける」


 ――撃つって、射殺してもいいのですか?


「ああ、構わん。アイツらは社会のゴミだ。迷わず撃て。君も射撃得意だろ?」


 ――まあ、そうですが……。


「何を躊躇ってる?日本のガン細胞を取り除くため、今回の捜査が敢行される。君も分かるだろ?」


 増田や倉田たち組対上層部の思惑が手に取るように分かった。


 最初から組対は今回の事件を機に二つの組を封じ込める気でいたようだ。


 俺たちは個々人が一所属警官として従い、動くしかなかった。


 そして北山院たち特別捜査部隊は、黒塗りのワゴン車二台で現場に到着する。
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