組対のデカ
く。


 それに裏で何かがあると思っていた。


 大口が全ての事件に関わっていたとすれば合理的説明が付くのだが、やはり組対部だけが必死になる案件じゃなさそうだ。


 俺も気に掛けている。


 常に組対部のフロア内で、上司や仲間たちと接しながら……。


「安藤」


「はい」


 倉田が呼ぶ声がする。


 立ち上がって歩き出す。


 倉田のデスクの前に来ると、


「大口検事が入院先の病院内で高検の連中に取調べ受けてるのは知ってるよな?」


 と訊いてきた。
< 221 / 259 >

この作品をシェア

pagetop