組対のデカ
一網打尽となるのだ。

 
 そして大口に対する取調べは病院内にて続行された。


 黒幕が落ちれば、後は雪崩を打って落ちていく。


 俺もそう思っていた。


 長谷川が言っていた、サンズイを追っている検事が逮捕され、矛先は九月上旬の国会閉会時へと向く。


 俺たち組対部のデカも不安を覚えていたのだが、やるべきことはちゃんとやっている。


 人間の不安は尽きない。


 確かに高ストレス社会で、誰もが悩みを抱えやすいのだが……。


 それに俺も刑事である前に人間だから、不規則でも食事を取り、夜は大概眠る。


 仮に夜勤で当直室に寝泊りしなくてはならなかったにしろ、食事は出前などが取ってあった。


 着替えも持ってきていて、泊り込む。


 もちろん深夜でも電話が鳴り出せば、即出動なのだが……。
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