組対のデカ
第16章
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 七年前起きた新宿区内にあるホテル一室での殺人事件で速水が捜査に失敗したことは、未解決事件として警視庁のデータベースに載っていたので、把握していた。


 警視庁指定31×号事件だ。


 速水がホテル近辺の路上をうろついていた男性を緊急逮捕している。


 男性はダガーを所持していて、銃刀法違反に問われたのだが、取調べ段階で殺人の実行犯じゃないと断定できた。


 事件から七年が経つのだが、犯人はまだ捕まってなくて、事件も継続捜査を担当する特命捜査二係のデカたちが捜査中だ。


 一係から四係まである特命捜査係を管理する特命捜査対策室も大変である。


 一課の中では裏方で、ずっと事件を追い続けていた。


 二〇一〇年四月施行の改正刑事訴訟法で、死刑相当の殺人事件に関しては時効が撤廃されている。


 それは全く部署違いの俺たち組対部のデカも知っていた。


 つまり警視庁指定31×号事件の犯人を捕まえるチャンスは十分あるということだ。

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