逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜





「あー・・・大変そうですねぇ。」




修の熱弁を郁斗がサラっと受け流す。





聞いてんのか!そう、修は喚く。





うるさい・・・。





「でも、皆一位しかとったことないでしょ。」





私は木崎旬のママが出してくれたクッキーを口に運びつつ言う。





「まあな。」





そう皆答える。





入った当初から私達は先輩を押し退けて一位をとってきたわけで・・・。





きっと陰で恨まれてると思う。




けど、私もちゃんとやらなきゃ。





家帰ったら半身浴して、

パックして、

マッサージして、


9時には寝よう。






そう心の中で決める。





そして15分程喋ってアトリエを出て、家に帰った。





――――――





朝、皆で登校することが恒例化し、今日も皆で学校に向かう。





校門には昨日はなかった派手な看板や装飾。





まるでどこかの学園祭のような雰囲気をかもちだしている。





言ってしまえばただの試験なのに。





「ファッションショーは15時から。
皆それぞれ試験終わったら控え室集合。」





木崎旬が要点をさらっと言う。





私達は了解、と返事をしてそれぞれの試験会場に向かう。





モデル科は野外ステージ。





モデル科が1番集客率が高いらしく、

学校中心部で試験が行われる。





ちゃちゃっと髪型を整えたりトイレに行ったりするともう試験の時間が近づいて来ていた。





まだ試験まで30分はあると言うのに、

既に人がぞろぞろと集まって来ている。





スーツを着こなし、いかにもスカウトマンです、という人がいっぱい。





多分大丈夫なんだろうけど・・・





少し緊張・・・。






そして30分があっという間に経ち、試験開始時刻となった。





私は椅子から腰を持ち上げてステージの上に上がった。





その瞬間にわあああっと耳が壊れるくらいの歓声とリズム感のいい音楽が私の耳をすり抜けた――――







「今回のモデル科一位は・・・





咲田美里さんです・・・!」





バッと私に黄色いスポットライトが当たる。





あらゆる試験項目を終えて、私の名前が一位として呼ばれた。





私は笑顔を作ってカツカツとヒールを鳴らして前へ出た。





賞状とトロフィーが渡される。





・・・これで7つめ。





私は自分の手にあるトロフィーを見下ろしてそう思った。





入学して、



第一回のテストの時は言葉を失うくらいにびっくりしたことを覚えている。





二回目は叫んだ。





三回目は泣いた。





四回目はガッツポーズ。





・・・と、私は受け取る度に色々表情を変えてきた。




はじめの頃は。





けど何だか慣れてきてしまって、


5回目以降はただ普通に笑顔を作るだけにしていた。




周りからしたら嫌味に見えているかもしれないけど。
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