王子様とお姫様
王子様
5時限目の授業も終わりに近づく頃。
私はまだ悩んでいた。
1時間目からずーっと机に伏せてる私。
「…」
トントン、
右肩を軽く叩かれた私は少しだけ後ろを振り向く。
「美織?どした?」
小声で話しかけてくる舞。
ようやく私の変化に気づいたみたい。
遅いよ…!!
涙目になりながら、
「長くなりそうだし、後で話すね」
とだけ言って前を向きなおす。
すると今度はポケットの中の携帯がヴー、と鳴った。
…舞だ。
確認しなくてもわかるメールの早さ。
1秒前まで会話してたよね!?
いつもの事か…
って自分で自分に突っ込みを入れてる私が虚しい。