あいさき
プロローグ
ぽん、と傘が跳ねる。
相崎にお似合いの、桃色の水玉。
誕生日に僕がやったんだ。相崎は喜んでくれた。

小さな体からは想像もできないほどの量の水がアスファルトを汚していく。
動けなかった。声も出なかった。
相崎は、ぴくりとも動かない。
甲高い悲鳴と騒がしいサイレン。
僕はずっと立ち尽くしていた。
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