狼少女と初恋。


無事、入学式会場に行けて
一安心。
禿げた人が校長として
紹介され、壇上へ上がる。

『えー、4月と言えば_____…。』

お決まりの常套句から始まった
校長の長い話の間、
ずっと、ある事を考えていた。

那月の事。

乃愛はまだ知らない。

私が那月の事好き、だった事。

私たちの間に
何があったかも、全部。

初恋で、一生懸命で、
切なかったあの頃。

私が1番狼少女であった頃…。
< 6 / 100 >

この作品をシェア

pagetop