どうして好きなんだろう

「他に…好きな奴ができたのか…?」

俯く私を下から見上げている、縋るような、それでいて怒っているような瞳。

ツーンと鼻の奥が痛むけれど、ここで涙を流すのだけは違う気がして。

「…ごめん。」

震える声を悟られないように短い返事を繰り返す。

呆れたように大きな溜息を付きながらその場にしゃがみこむ義人。

「…んだよそれっ。」

二人でよく寄り道したあの公園。初めてゆりちゃんといる直を見たあのベンチ。

なかなか言い出せないでいるうちに、公園内の街灯にも灯りがともされている。

オウム返しの答えが、最後の質問にも肯定と取ったのかそうでないのかはわからない。
< 159 / 215 >

この作品をシェア

pagetop