どうして好きなんだろう
何故こんな状態になっているのかはもはや理解不能だけど、ただ、心地よく私に響く。
ベンチに座ったままの直の両足の間に不自然に抱きとめられたため、崩れ落ちそうな体を立て直そうとすると、それ以上の力であっさり膝の上に乗せられる。
膝に乗せられたことで近くなった端整な顔が目の前に迫り、私の顔にはりつく髪をかき分けて、そのまま残されていた親指で私の唇を拭う。
切なげに細められた揺れる瞳はその指を追うように私の唇を見つめる。
ちょっ、なんで唇とか…。
そこに意識が集中して、顔中が熱くなるのがわかる。