どうして好きなんだろう

「…もしかして、直のこと?」

「……。」

黙りこくる私に、電話の向こうでははっと乾いた笑いが聞こえる。

「遠慮しなくていいよ。…なんとなくは気付いてたから。で、報告?それだったら俺いらないけどな。」

「報告?……大学受かったこと?」

「…理央の合格は知ってるよ。…あれ?何、違うの?」

いまいちかみ合わない私たちの会話だけど、ギクシャクせずに話せていることにホッとする。

「…直がイギリス行くって…。」

「なんだ、やっぱり聞いてるんじゃん。で、もう見送ってきたの?」

「義人…知ってたんだ。」

「そりゃあ、まあね。でも、すごいよな~あいつ。オレだったらぜってえム」

「知らなかったの。」

「は?」

義人の言葉も遮り、絶望的な気持ちだけが胸の中を渦巻く。
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