どうして好きなんだろう
「さっき、バイト先の店長に聞いた。」
「はぁ?…ってことは、理央あいつに会ってないの?」
「…会ってない。」
道の真ん中で、携帯電話を耳に当てたまま俯く私の足元にポタリと雫が落ちる。
「…チッ…あいつ。」
左手で口元を覆い、漏れそうになる嗚咽を堪える。
電話からは義人の呆れたような溜息が聞こえる。
「…理央、ごめんな。知ってると思ったから、なんも言ってやれなくて。…もう、間に合わない。」
「………っう、ん。ごめっ…。」
「………。」