春風。。。
〜奇跡〜

ミーン・・・ミーン・・


ひたすら聞こえてくる蝉の声・・・窓の外で風に揺れる真緑の葉。。


外はもぅ真夏の陽射しでキラキラしてるのにどうして私は泣いてるんだろ。。。


人は悲し過ぎると涙も出ないって言うけど、私は違うみたぃ。
自分の意思とは関係なく涙がとめどなく頬をつたう。。。


田上陽菜(タガミヒナ)当時19歳

私は今までで一番辛い恋の終わりを味わった。


「別れよぅ・・・このまま待たせても悪いだけゃ・・陽菜には沢山の出会いが待ってるのに・・」


「私はずっと待ってるから!!大丈夫だょ!!」


「もぅ決めた事やから・・・ごめん。。」


プツン――ツーツーツー・・・



恋って。。人を好きになるのってこんなにも辛いのだと初めて知った。。。。


当時付き合っていた彼は25歳。

飛行機の整備士をしていた。。関西弁で背が高くてスポーツが大好きで・・・・ヘビースモーカー


私はそんな彼が大好きだった。。。

大きな胸に抱かれた時の安心感。。タバコの匂い。。ほかのどんな物にもかえがたかった・・・

今考えるとこの別れは、彼なりの優しさだったのかもしれなぃ・・・

整備士免許取得。。。その目標を達成する為に二年間は集中して勉強をしなければならなぃ・・・

「二年間は遊ぶこともメールや電話もあんまり出来なくなる・・・二年間待ってくれるか??」


私は即答した

「待つょ!!待ってるから!!」


けど最初から彼は分かってたのかもしれなぃ。。

二年間と言う長い月日、私の心が堪えられないことを。。

案の定、私は毎日不安でいっぱいだった・・・

数日メールが無いと


このまま自然消滅しちゃうのかな。。。


って呪文のように何度もその言葉が頭のなかで浮かんでは消えた・・・・


彼から別れを告げられたとき、ただただ涙が溢れてきた。。
止めどなく流れる涙をどうすることも出来ず、私は胸の傷みに耐えるだけだった。





この後、失恋のショックと私のとんでもない行動で奇跡が起きる――――


そぅ・・・思ってもなぃ出会い。。。


奇跡としか言えない――

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