君のコト、さらっていいですか…?

最初で最後のデート

自宅に帰宅して愼樹と電話している。

「文、振ったんだって?」

『あーうん』

「どうして?」

『遠恋になって側にいられないからだよ』

「そっかーいつ引っ越すんだっけ?」

『今週の金曜』

「え、もうすぐじゃん!」

ちなみに今日は火曜日。

『それに引越し準備で木曜休むし』

「つまり水曜で退学なの?」

『まあな』

「文、寂しがるだろうな」

『いつものことだから気にしてないけど

寂しいのか、お前』

「さ、寂しくなんかないしっ」

『そーかい、そーかい』

「あ、電話代は?」

『しゃーないからチャラにしてやる』

「やりー!」

『だから長電話するなよ』

「りょーかいっ!

そうすると勉強教えてもらうのも

最後なんだね」

『そーだな、こう会話すんのも

最後かもな』

なんだか胸が締め付けられる

ようできゅーっとして

だんだん涙腺緩んできて。


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