あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】




ガラッとドアを開け、 教室に入る。


ホッ・・・先生まだだ。

さっきのが予鈴だったから あと、2分もあるや。


「ちぇっ、惜しい事したな」

勇輝がボソッと言う。

も~っ!!
そんなギリギリまでおれないでしょ?


私は席に着いた。

千香の質問攻めが来る。

「ねーねー、どうだったの?」
聞かれて私はポッと赤くなる
「うわ~怪しい~!」

怪しくないですっ

「もー、知らないっ。寝る!!」
私は机に突っ伏する。

「教えてよーっっ」


千香は私の周りで騒ぐ。

うるさいなー


あっ、先生来たよ?

ガラガラと音がした。

「あー、今日中本先生はお休みなので一限は体育祭のー予行練習になったー。みんな外に出るようにー」


「はーっ!?」


私は立ち上がる。


「何だ黒川、文句かー?」

ヤッベ。

「すいません…」


勇輝に口パクでバーカと 言われる。

うぅ、だって体育委員じゃん?私達!

大変だよぉー。


案の定―


「体育委員、ちゃんとやれー。」


ほらね。

勇輝も、めんどっとか言って 何もしないしさー・・・。


「えっと、次の振りは、こうだったかな?あれ、ちょっと待ってよ、ごめん。多分こう…」

なんて、曖昧な話をしながら ダンスを進めて行く。

どうしよ、覚えてないよ…


「やる気あるわけ~?」

「それぐらいちゃんと覚えて来いよ。」


「最近、調子乗りすぎなのよ」
「マジそれー」


なんて言葉が聞こえて来る


うっ、でも言われて当たり前か・・・。


スッといきなり、私の前に 黒い影が出来た。

「えっ?」


「てめぇらゴチャゴチャうるせえんだよ。百合への文句は俺に言えや!」

勇輝・・・・。


シーンとなるグラウンド。


千香だけ、「カッコいい~」って叫んでる。














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