あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】



「だから、私の為だっ…」


「いいから聞けって」


ムグ。口を押さえられる


だって、そんなの…


私が将来勇輝に嫌われたく


ないとか、私と勇輝の


立場の差が出来すぎて


別れなきゃなんない。


とか絶対嫌だもん!とか


全部、根本は私の


ワガママなんだ…。


勇輝に嫌われるのが怖い。

離れていっちゃうかも


っていう不安にも襲われる。

勇輝を信用してない訳じゃ

ない。けど、私はそれほど

自分に自信がないの。


こんなに勇輝が全身で


『愛しさ』を教えて


くれてるのにね??


勇輝の言葉は今の私の


弱音を全部聞いてたような

言葉だった。


「百合が俺の為に別れよう


としてんだったら逆効果。

ずっと、一生俺は百合と


いたいんだ。この世の


誰よりも、何よりも


百合が好きだ。」


……ねぇ私?勇輝が


これだけ言ってくれてる


んだよ?これでも、まだ


…私は不安になる??


「俺だって、不安だぜ。


俺よりいい男がいたら


どうしよう?とか、


百合が俺のこと嫌いに


なるかも。とか」


「あっ、有り得ないもんっ。

そんなの、絶対ない!」


あっ、私…言っちゃった…

「だから、さ。これ


もらってくんね??


俺は絶対、お前以外を


好きにはならねぇ。


生涯、何があっても


お前1人だけだ。」


そう言って、勇輝が


出してきたのは…


指輪。


「婚約指輪//不安で


不安でたまらねぇ。


でも絶対他の誰かに


百合を取られたくねー。

だから…まだ高1だし


俺は結婚出来ないけど。」

目から、涙が溢れてくる

ヤダ。すぐ泣く女は嫌い


っつったじゃん?涙止まって

よ…。ほんとにっ、勇輝の

ことになると…勇輝、好きっ!







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