太陽には届かない
絡み始めた運命

運命の人

有田良平は、誰もが認めるいい男だった。


陽菜は、良平を初めて見つけた時の事を、今でもはっきりと覚えている。


良平は、何もかもが完璧な王子様に見えた。大げさでなく、本当にその位、陽菜の理想とする男だった。


180センチほどの長身、優しそうな顔立ち、サラサラの髪の毛…
喫煙室でたばこを吸い、窓の外を眺めている。

目の中に陰を落とす憂いに母性本能をくすぐられる…


そんな印象だった。


一瞬で呑み込まれる。
それは、一目惚れに似た感覚でもあった。


『この人をもっと知りたい…』


陽菜は純粋にそう思った。
そして、これから何かが始まるような気がしていた。

彼氏の泰之の存在も忘れて。
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