東京+ラブクラフト









ユタカさんは再び下を向いて
両ヒザに置いた手を、ギュッと握り

買い物に出ていたケーキ屋さんが
「 ただいま〜 」とコンビニ袋を提げ
とても寒そうに戻って来た





「 おっ… お帰りなさい! 」





「 雪、やんでるよ

荷物あるし、帰るなら 今って感じ 」





「 あ… 」


―――― でも、ミコさんが

…そう言おうとしたけど





「 あ、ケイトね、さっき捕まえたから 」





「 ―――… えぇっ?!! 」





ユタカさんは、目を見開いて顔を上げ
私もかなり、声をあげてしまった





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