東京+ラブクラフト
「 うおっ?!
何だよこれええっ!! シンレー現象?! 」
「 …バァカ!!今は冬だっつうの! 」
―――… 真っ暗だ
だんだん目が慣れて来ると
上の窓から外のあかり
少し遠く、階段を降りて漏れて来た
奇妙に騒ぐ、広間からの声
「 ――… 階段も消えてんな 停電か? 」
「 初だろこんなの〜
ネズミいるっぽいし
どっか配線、かじったんじゃね? 」
「 …― お〜い! 大丈夫かあー! 」
階段の上から、チラチラとあかり
懐中電灯とか そんな感じ
「 あ〜! そっちも消えた〜?! 」
「 消えた〜! でも外灯ついてっから
ブレーカーか何かかも〜 」
次第に、ガヤガヤ声と
歩き回る足音たちが大きくなる
「 ちょっと懐中電灯
持って来るから待ってて 」
「 俺 配線見て来るわ 」
壁に手を添え
二人は階段を昇って行く
「 あ 」
――― ケータイにライトある
これ使って ―――
「 …って言えばよかったけど遅いか 」