触れないキス
「もうすでに上手だよ! 本物の画家みたい!」
「ふっ、それは言い過ぎだろ」
あ、今笑った……?
ほんの少し見えた横顔が、わずかに綻んだのが垣間見えて、
私の心にはなぜか、それだけで花が咲いたような喜びが広がった。
「……いつまで見てんの」
いつもの不機嫌そうな声にはっとする。
「気が散る。どっか座ってくれ」
「は、はい、スミマセン!」
何故か敬語になりながら、彼の背中からさっと離れる。
あぁでもどうしよう。どこに座ったらいい?
二人しかいないのにいつもの席に座るのも微妙な気がするし、正直、もう少し彼が描く絵を見ていたい。
「あの……そこ、座ってもいい?」
私が指さしたのは、そらくんの斜め前の席。
微妙な位置の指定に、彼は一瞬眉根を寄せたものの、「……勝手にすれば」と言った。
作業を始めて数十分。
しばらく黙って描いていたけれど、私はそらくんが気になって仕方なかった。
絵を見つめる真剣な眼差し
筆を走らせる長くて綺麗な指
そこから生み出される色鮮やかな光の花──。
絵からも、そらくんからも、繊細ではかなげな雰囲気を感じて、それがすごく魅力的で……
なんだか懐かしいような、不思議な気分に陥る。
「ふっ、それは言い過ぎだろ」
あ、今笑った……?
ほんの少し見えた横顔が、わずかに綻んだのが垣間見えて、
私の心にはなぜか、それだけで花が咲いたような喜びが広がった。
「……いつまで見てんの」
いつもの不機嫌そうな声にはっとする。
「気が散る。どっか座ってくれ」
「は、はい、スミマセン!」
何故か敬語になりながら、彼の背中からさっと離れる。
あぁでもどうしよう。どこに座ったらいい?
二人しかいないのにいつもの席に座るのも微妙な気がするし、正直、もう少し彼が描く絵を見ていたい。
「あの……そこ、座ってもいい?」
私が指さしたのは、そらくんの斜め前の席。
微妙な位置の指定に、彼は一瞬眉根を寄せたものの、「……勝手にすれば」と言った。
作業を始めて数十分。
しばらく黙って描いていたけれど、私はそらくんが気になって仕方なかった。
絵を見つめる真剣な眼差し
筆を走らせる長くて綺麗な指
そこから生み出される色鮮やかな光の花──。
絵からも、そらくんからも、繊細ではかなげな雰囲気を感じて、それがすごく魅力的で……
なんだか懐かしいような、不思議な気分に陥る。