触れないキス
「何しに来た?」
突然彼が目線を落としたまま言葉を発し、驚いてびくんと肩をすくめた。
“何しに来た”って……ここはあなたのテリトリーか何かですか?
と言いたいところだけど、そんな勇気はないので普通に答える。
「ポ、ポスターを描きに……」
「ふーん」
興味なさそー……。
何よ、自分から聞いておいて。なんかイラッとする。
そういう自分は何をやってるのよ。
ポスターボードを取り出してそこから戻る時、後ろからそらくんの描いている絵をチラリと盗み見た。
──うわ、すごい上手……!!
黒に近い紺色の背景に、鮮やかに咲き乱れる花火の絵。
思わず息を呑んで見入ってしまうほど綺麗だった。
「すごい……めちゃくちゃ上手!」
黙っていられなくて、背後から覗き込みながら感嘆の声を上げた。
驚いたように、彼がくるりと振り向く。
彼の顔との距離が思った以上に近くて、また心臓が飛び跳ねた。
「……まだ描き途中だし」
すぐに前を向いたそらくんは、素っ気ない口調で言う。
でも、今は絵のクオリティーの高さがすごくて、そんなことも気にならない。
突然彼が目線を落としたまま言葉を発し、驚いてびくんと肩をすくめた。
“何しに来た”って……ここはあなたのテリトリーか何かですか?
と言いたいところだけど、そんな勇気はないので普通に答える。
「ポ、ポスターを描きに……」
「ふーん」
興味なさそー……。
何よ、自分から聞いておいて。なんかイラッとする。
そういう自分は何をやってるのよ。
ポスターボードを取り出してそこから戻る時、後ろからそらくんの描いている絵をチラリと盗み見た。
──うわ、すごい上手……!!
黒に近い紺色の背景に、鮮やかに咲き乱れる花火の絵。
思わず息を呑んで見入ってしまうほど綺麗だった。
「すごい……めちゃくちゃ上手!」
黙っていられなくて、背後から覗き込みながら感嘆の声を上げた。
驚いたように、彼がくるりと振り向く。
彼の顔との距離が思った以上に近くて、また心臓が飛び跳ねた。
「……まだ描き途中だし」
すぐに前を向いたそらくんは、素っ気ない口調で言う。
でも、今は絵のクオリティーの高さがすごくて、そんなことも気にならない。