やっぱり、好きだ。
 
「・・・別に諦める事ないと思いますよ。桜井先生は青山先生から聞いたんじゃいんですか?? 青山先生も私も安田も、誰も諦めてないんだから桜井先生だって諦める必要ないですよ。あ、高村先生は諦めたんでしたね」

  朝倉先生の言葉に、桜井先生の表情が変わった。

 『桜井先生は』と言うことは、 朝倉先生と安田は全部を聞いたわけじゃないのだろうか。

 というか、私だけ諦めたって、何の事だろう。

 朝倉先生の言っている意味が分からない。

 「・・・あの、私が帰った後、何かあったんですか??」

 青山くんは私の過去の話を、どんな風に話したのだろう。

 『・・・・』

 私の問いかけに、2人は口を閉ざした。

 シカトされているのかな。やっぱり、さすがに『ストーカー話』は引くよな・・・。

 「私、先に行きますね」

 桜井先生だって私だって行き先は職員室なのに、朝倉先生は私たちをおいてひとりで行ってしまった。3人で楽しく会話しながら職員室へいける状況ではないけれど、桜井先生と2人きりにされるのも、かなり気まずい。
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