やっぱり、好きだ。
 
 サヤ子の携帯を鳴らすが出ない。

 サヤ子を探し回っていると、

 「サヤ子」

 誰かのサヤ子を呼ぶ声が聞こえた。

 声の方へ向かと、千佳に声を掛けられているサヤ子の姿が見えた。

 サヤ子に謝ろうと2人に近づく。俺の存在に気づいていない2人の会話が聞こえてくる。

 「サヤ子、何かあった?? 泣いてるよね??」

 サヤ子の顔を覗き込む千佳に

 「何もないよ。泣いてないし!!」

 サヤ子は咄嗟に笑顔を作っていた。

 「さっき、翔太に会いに部室に行ったんだけど・・・みんながサヤ子の事『翔太のストーカー』って言ってたけど・・・どういう事??」

 眉を顰める千佳に、サヤ子の顔も歪む。

 「それは俺が・・・」

 弁解しようと、2人の会話に割って入ろうとした時、

 「・・・私、嫌がられてたのに、自分が傍にいたかったからって・・・ずっとつきまとってた」

 サヤ子が泣きそうになっているのを堪えながら、口を開いた。
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