やっぱり、好きだ。
 

 
 暫く談笑をしていると、

 「そういえばサヤちゃん、夏休み来れる事になった??」

 「でも、本当にいいの??」

 「もちろん? 溜まったマイル、サヤちゃんが使ってくれないと無効になるだけだし」

 森田とサヤ子が訳の分からない話を始めた。

 「何の話??」

 「あぁ、『今年の夏休み、俺のマイル使ってアメリカにおいでよ』って話をサヤちゃんにしてたんだよ」

 『ねー』とサヤ子に同意を求める森田。

  何だそれ。森田、電話でそんな話1回もしてねぇじゃねぇか。

 「・・・聞いてねぇ」

 「言ってないし。今俺が住んでるとこ、サヤちゃんが留学してた時にホームステイしてたとことそう遠くないからさぁ。 久々にホストファアミリーに顔出しに行くのもいいんじゃん?? って話してたんだよ」

 『ねー』と再度サヤ子に向かって首を傾ける森田。

 コイツ・・・。俺の知らない所でこそこそと。
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