やっぱり、好きだ。
「あの・・・ご、ごめんなさい!!」
勢いよく頭を下げ、腰を90度に折り曲げる。
「何が??」
突然謝る私に青山が首を傾げた。
「本当に知らなかったんです。 青山先生があの学校にいる事も、N町に住んでるって事も。調べたわけでもなんでもなくて、本当に偶然で、本当にストーカーみたいな事は一切してないんです。本当なんです!!」
誤解を解こうと、言い訳の様な弁解を一気に吐き出すと、
「別に疑ってない」
青山くんは、頭を下げたままの私の両肩を掴むと、私の上半身を起こした。
悲しそうな顔をした青山くんと目が合って、本音は違うんだろうなと、申し訳なくなった。
大学時代、青山くんはずっと、私をうっとおしく思いながらも、直接私には言わないでいてくれた。正直、間接的に知る方が辛かったけど。今もきっと、私に気を遣ってくれたのだろう。
「私も同じ過ちは2度としませんから。約束しますから」
青山くんに安心して欲しくて、強く宣言するも、青山くんは更に悲しげな目をした。あぁ、前科者の私の言う事に信用なんてあるわけないんだなと、情けなくなった。