やっぱり、好きだ。





 アパートの最寄のバス停に着き、バスを降りると、

 「サヤ子、どっち方向??」

 青山くんも私に続いて降りてきた。 どうやら青山くんと住んでいる場所が結構近いらしい。

 「あっち・・・ですけど」

 まさかね。と思いながらアパートの方角を指さすと、

 「一緒だ」

 青山くんから『まさかね』な返事が。本当に青山くんもこっちなの?? ますます私、ストーカーっぽい。

 「本当に青山先生の住所、知らなかったんです。調べたりとか、本当にしてないのに・・・近くに引っ越して来てしまって本当にすみません」

 さっき言った『偶然』が嘘臭く思われそうで、言い訳がましく再度言ってみると、

 「しつこいよ、サヤ子」

 やはりそんな言い訳は通用せず、青山くんのキツイ一言にビクっと肩が震えた。

 「・・・ご・・めんな・・さい・・・」

 謝る声も震える。

 「・・・サヤ子、俺の事怖がらないで。サヤ子はどう思ってるか分かんないけど、俺はまたサヤ子に会えて嬉しかった。本当に」

 青山くんが、距離を置いて歩こうとする私にぐっと近づいた。

 青山くんは、また気を遣って嘘を吐いてくれているのかもしれない。でも、

 「私もです。また会う事が出来て嬉しいです」

 青山くんの優しさに、泣きそうになった。 

 涙を零さぬ様に、星空を見上げるふりをしながら歩いた。
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