やっぱり、好きだ。
 
 「早弁て。俺、いい大人だぞ。じゃなくて、桜井先生と朝倉先生がくれたの。俺、2個も食えないから」

 有難いというよりは、どことなく困っている様で、なんなら迷惑そうにさえ見える青山くん。

 ・・・これだからモテる人間には参ってしまう。他人の好意を何だと思っているのだろう。

 「桜井先生のは当然もらうとして、なんで朝倉先生のお弁当までもらったんですか??  桜井先生が好きなら、朝倉先生のは断るべきじゃないですか。朝倉先生からお弁当もらった事を桜井先生が知ったら、桜井先生だっていい気しないでしょうし、朝倉先生だってその気もないのに貰われたら嫌だと思います」

 イラっとしてしまい、つい説教じみた事を口走る。

 部外者のくせに、何を私は偉そうに・・・。 

  「・・・すみません。でも、貰ったからには青山先生が責任持って全部食べるべきだと思います。万が一お腹壊したら胃薬さしあげますから」

 自分の何様な態度に我に返り即座に謝るも、青山くんの視線は私ではなくラーメンに注がれていて、

 「サヤ子、ラーメン出来てるんじゃね??」

 と、カップのふたをめくり、中身をチェックした。
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