やっぱり、好きだ。
 「私、他人に教えられるほど英語出来ない。ユイカさんに聞いた方が間違いないよ」

 青山くんの手からノートを奪い取り、鞄に突っ込んだ。

 「俺、高村の訳し方好き。ユイカはさぁ。なんつーか、訳が強気ってゆーか・・・日本人の謙虚さがないってゆーか・・・」

 『なんかしっくりこないんだよなー』と、腕を組む青山くん。

 「フッ」

 意味が分かる様で分からない事を言う青山くんが、薄っすらツボに入ってしまい笑ってしまった。

 「外国の言葉なんだから日本人の謙虚さなんてなくていいでしょ。てゆーか、強気な訳って・・・気になる」

  喋りながらも笑い続けていると、青山くんがそっと私の背中を摩った。

 青山くんが触れた部分がどんどん熱を帯び、笑っている場合ではなくなる。 照れの余り、背中どころか脳天までもチンチンに熱くなる始末。

 普通の女子高生ってこれくらいじゃドキドキしないのかなぁ。

 私、心臓のバクバクで死にそうなんですけど。心臓バクバクな自分、ウブ過ぎて恥ずかしいんですけど。
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