DARK HERO 処刑人&闇医者
「こっちは真面目に悩んでるの!」

「俺が知るかよ、殺すぞ」

「うっ…!」

「あーもう、話位聞いてやれ」


女には甘い樫原。

本日何度目かの舌打ちで、俺は話せと催促した。



「私…彼氏に暴力受けてて…」

「別れりゃいい話だろ」

「別れ話なんて持ち掛けたら…何されるかっ…」

「せーぜーボコられるか犯されるかだろ」

「軽く言わないでよ!! サイテー!!」

「あ?そのサイテーヤローに頼んでるお前がよく言うぜ」

「………っ」


あーあーまた泣き出しやがった、面倒くせぇ。


「もう…あなたしか…頼れないのよ…!!」

「…………」

「お願い…助けてよ……DARK HERO…!」



…こいつ…。

俺は黙って樫原を睨んだ。


「かわいこちゃんは放っておけないだろ?」


このお喋り変態野郎が…。



「今日だって…煙草を押し付けられたり…殴られたり…」

「うるせぇ、お前の被害自慢なんざどーでもいい。俺にどうしてほしいかだけ言え。お望み通りの復讐をして欲しいんだろ」

「…………」

「罪を償うのはお前だ、覚悟を決めて一言で済ませろよ。それ以外の言葉を口に出したらお前も車から出す」



女は涙で腫らした目元を細め、憎しみに歪んだ顔を俺に向けた。




「彼を殺して」
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