心―アナタノモノガタリ―




「お疲れ様、ソラ。

会議あるの聞いた?」


「うん、ジグから聞いたよ。クリスタルは後回しにしろーだって!

私、まだ能力者じゃないんだから、無理に参加させてくれないくてもいいのに」




私が会議に参加することで、支障があったらどうしよう。


私は戦いを知らないから、会議で票を持つのは危険な気がしていた。


すると、メイが大きな声で言った。




「なぁにいってんのよぉ!

ソラはね、希望なんだから、参加させないわけないでしょうがぁ」




ローラが呆れたように笑って、私に肩をすくめて見せた。


私もそれに返す。


希望、というのは、私の能力のことだ。


私がこのレジスタンスに来たのは、4年以上も前のこと。


そう“D-Day”がきて間もなくのことだった。


全てを失った私は、クリスタルの洞窟に倒れていた。


クリスタルの光を伴って……なんていうのは、どこまで本当かも分からないし、信憑性もない話だけど。


光のクリスタルを探していたレジスタンスにとって、クリスタルの発見は希望で。


そして、その前に倒れた私にも何かがあるんじゃないかっていう推測。


つまりは、私の能力が希望っていうのは、少し飛躍している気がする。


でも、皆に希望が与えられるなら、それでもかまわないと思う。


早く、能力が発覚してほしいとは思うけれど。


あの時、私(とクリスタル)を見つけたのは、キルだ。


本名はキリアン。


長い黒髪を一つに結った髪型が印象的な能力者。


ライトブルーの瞳は見つめられただけで、動けなくなるほどに澄んでいて、鋭い。


日本刀が彼の能力なんだけど、私は暫く一緒に放浪していたから、何度か見たことがある。


素人のあたしでも分かるくらい、彼の剣術は恐ろしい。


流れる刃は、まるで生き物のようで、息をするのも忘れてしまう。


そんな彼は、私をここに置いて行くと、弟子と一緒にまた旅立ってしまった。


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