家元の花嫁【加筆修正中】


孫の俺が言うのもなんだが、先代家元は屁理屈者と言うか…頑固者と言うか…


なんせ、一筋縄ではいかない。


親父は母さんとの結婚を良くあっさり許して貰えたな。


あっ、そういえば…。


母さんがかなりぶっ飛んでる性格だから、爺さんと意気投合して…


速攻で許可されたって…杉下(執事)が言ってたっけ。


まぁ、性格はぶっ飛んでるが心は優しいからな…。


ゆのに母さんのような行動を望むのは……まぁムリだな。




俺らは屋敷内へ。


使用人に茶室へと通された。


ゆのはこれでもかっていう位緊張している様子。


まぁ…俺も人のことは言えないが。


「ゆの、そんなに緊張しなくても大丈夫だ」


「でも…、お茶室に通されたからには一服頂くんですよね?」


「……まぁ………そうだな」


「私、ちゃんと出来るでしょうか?」


「大丈夫だろ。多少の所作乱れは目を瞑るだろう。問題は俺だから」



ここの所、毎日のように家元と俺の稽古にゆのも同席させている。


家元いわく、ゆのに“茶の湯”を勉強させる為と言っていたが…。


恐らく、今日の為だろう。俺は深呼吸した。


すると、その時―――――。





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