君が見上げたあの空は
「空知くんが…」

「あら。お知り合い?」

「はい。まあ…」



響は歩美の手をとった。



「その人に、御礼を言っておいてくれない?」

「あたしが、ですか?」

「それか、その人を連れて来てくれるんでもいいけど」



歩美は、心の中で、溜め息をついた。

面倒だ。



「私、基本的に、ここに居るから、言いたくても、言えないのよぅ…」



響は瞳を潤ませて言った。

歩美は小さく溜め息をつき、渋々、応えた。



「…じゃあ、どっちか、しますよ…」




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