君が見上げたあの空は

飛び込む空に、鳥をみて

放課後。

歩美の背中がつつかれる。



「ね、歩美。あの喫茶店、行かない?」

「また、近衛先輩に迷惑かけに行くつもり?」



小春は唇を尖らせた。



「私だって、節度は守るもん」



歩美はこめかみに手を当てた。

捕まえて話し込んだり、無理にアドレス訊いたり…。

もう既に、守れていない気がするんだけど…。



「ねぇ、行こーよ、歩美ぃ~」



小春は歩美の肩を掴み、激しく揺らした。



「あ~ゆ~みぃ~」

「あたしに対する節度ってのは、無いわけか…?」



歩美の問いは、小春には、届いていない様だった。




< 104 / 132 >

この作品をシェア

pagetop