メガネの下に隠れた表情 (完)
 

「何だよ?もー」


唇を尖らせて、私を睨む。


――いやいや。


かわいい顔して睨まれたって、迫力ないですから。


キミは犬みたいにかわいい。


私よりもひとつ年上のはずなのに、たまに年下なんじゃないかって思うくらい、純粋でかわいいんだ。


私たちもう、結構いい歳なのにね。


「いやさ、よくマンガであるじゃん?メガネはずしたら性格変わっちゃう、みたいな」


「で、俺で実験したってこと?」


「うん。でも、普通あり得ないよね~」


「あはは」


…ん?


今、乾いた笑い声聞こえなかった?


気のせいかな。

 
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