部室で
プロローグ
prologue・・・

ここは神巫高等学校・・・
私立の高校だ。
レベルは高いほうで、就職率が高いことで有名な高校だ。

星side
『キーンコーンカーンコーン・・・』
それぞれのクラスで終礼が終わり、下校する人や部活に行く人が増え始めた。
「ふぅ!やっと部活だっ!」

星は背伸びをして、少し大きめの声で言った。
「さ、今日もれんしゅーがんばろーっと!」

星は吹奏楽部だ 
 星はショートヘアで、スカートの下に少し長めのレギンスをはいている。
だが、今は6月後半・・・蒸し暑い頃だ。
神巫校の制服は、白いポロシャツに赤いチェックのリボンなのだが、
星だけはリボンではなく、青に近い紺色のネクタイをしていた。
性格もおおざっぱで女より男らしい性格。力もなかなか強い。
本人は、そんなことは全く気にしていないようだ。

星はきゅっとネクタイを固く締め、鞄をもって教室から出た。
ここの吹部は当番式になっていて、当番になった人は日誌を職員室まで取りに行ってから
部室に入るとになっている。
今日は星が当番だ。
星は走って職員室に向かった・・・のだが、
職員室から出てきた人に、星はぶつかってしまった。
星がぶつかった人から、何やらたくさんの書類のような物が落ちた
「あっ、す、すみませんっ!!」

星の上から、高めの声が聞こえた。
星が顔を上げると、そこにはやや背が低い男子がいた。
「前見てませんでしたっ!すみませんっ!!」

「あ、いや、こっちこそ・・・ごめんねっ・・大丈夫?拾うの手伝うよ?」
私は男子が落とした書類を拾い集めた。
「す・・・すみません」

男子は、私に向かって何回も何回も頭を下げた。
「いーよいーよ。走ってきた私が悪いんだし」
「それと、君一年でしょ?なんで書類なんか・・・」

私が尋ねると、男子が俯いた。
「あ・・・いや、そのっ・・・」

男子は泣き顔になった
「今日・・・部活に遅れてしまって・・・それで・・・全員分のプリント持ってこいって・・先輩たちが・・・」

「・・は?何それ。それってパシリじゃんか。一年使わないで自分でいけよー・・・」

一年使うとか・・・そいつら最低だな・・・
「先輩失格じゃん・・・ ねぇ?」

男子は返事に困っていた
あの・・・や、えっと・・・ ばかり繰り返している。
「はぁ」
「とりあえず聞くけど、名前は?」

「あ・・・っと・・・俺は・・・」


< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop