ホームレスな御曹司…!?
「ぬ、脱ぐんですか!?脱がないないんですかっ」


「せっかくだから洗ってもらおうか。でも、裸じゃいられないな」


あたしはクローゼットをかき回して、ジャージの上下を男の人に渡した。


「ち、小さいですけど、どぞ…」


「ご親切に。ついでにシャワー借りるけど、いいよな?」


「ハイ…」


「じゃ、洗濯ヨロシク。オレ、チカブミ トキヤ、オマエ、知香だな?」


「ハイ…」


「じゃ、知香。そのまたついでに朝食の用意も頼む、な?」


「………」


───ポン


無言のあたしの頭に手を置き、チカブミさんはにこやかにお風呂場へ消えた。
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