ホームレスな御曹司…!?
「すぐっ!」


「ん?」


コーヒーを飲みながら上目遣いであたしを見る茶色がかった瞳に、少しだけ心臓がブレる。


「あの、すぐ脱いでくださいっ!」


「は?いや、朝から?オマエって、大胆なんだな」


「…へ?」


「オマエをおぶったせいで少しばかり筋肉痛だから、うまくヤれるかな」


「何の…話です、か?」


「服を脱ぐって、そーゆー事だろ?」


………。

「ひゃぁっ!」


「体でお礼だなんて、意外と律儀なんだな?」


「ち、違いますッ!せ、洗濯を…!その服洗います、って事で!イヤラシイ意味なんて、これっぽっちも…っ!」


「ハハッ。わかってるって。かわいいからちょっとからかってみただけ。…プッ」


プッ…って…!


恥ずかしいやら怒りやらで赤くなった顔を伏せるあたしを見て、目の前の男はさも可笑しそうに笑った。
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