誠の紅桜に止まる蝶~番外編~
「蝶。諦めちゃだめよ。」

「でもっ!!」

私は泣きそうになりながら顔を上げる。

「ばかねえ。私だあれ?」

「え?」

「竜神を守護にもつ神無月の舞姫巫女よ?」

「あ・・・・・」

「そして、あなたはだあれ?」

「私・・・・?」

「あなたは桜乙女を守護する誰よりも気高く清らかな巫女、祈り姫じゃないの?」

「あ・・・・」

そうだ、私は祈り姫だ・・・・・」

「宿命は変えられない。でもね、運命は変えられるのよ?」

「運命は、変えられる・・・・」

「しっかりしなさい。運命から歳三を救えるのはあなただけなのよ?」

「私だけ・・・・」

そうだ。

私が土方さんを運命から救わなきゃいけないんだ。

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