小さな幸せ
赤みを帯びた彼女に見惚れながら、

熱くなった自分をあてがい彼女の中にゆっくり沈める。「

「惣さん…ああ。」

こんなときにもさん付で呼ぶ。


結局あのとき一回だけだったな。


などと考える余裕がある俺…不思議だ。


心に秘めていた気持ちを吐きだしたことで、

彼女が自分のものになったという達成感からだろうか。


「惣さんあたしもうっ」


動きを速め二人で高みへと登っていく。


お互いに求める熱が弾けて

行為の終わりを迎えた。


荒い息使いのまま、

唇を深く重ねて、


「愛してるよ。」


そう囁いて、抱きしめた。

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