小さな幸せ
「ベッドが広いとなんか変だなね。」

俺のシングルベッド

ちょっと動くと落ちそうで抱きしめて合って眠ったけど、

広くなったら、二人で大の字でも余裕だ。


「そっかあ、ゆっくり寝られるぞ。」


「…うん、そうだね。」


「寂しいか?」


「別に、そんなことない。」


「もっとそばに来ればいいよ。ほら、おいで。」


強がってても、素直な和実。


もそもそとやってきてぴったりと寄り添った。


暫くして静かな寝息が聞こえる。


彼女の左指にはきのう仕上がったばかりの婚約指輪。


いつもしていたいからと小さめな石を選んだ。


リングの内側に

StoK Love Forever


つつましいでも光を放つダイヤの付いた指輪は

白くて長い彼女の指にピッタリだ。


永遠の約束をリングに込めて彼女に贈った。


初めて嵌めた時のはにかんだ和実の笑顔は

きっと一生忘れない。


リングを付けた左の薬指、そっと口づけて誓う。


永遠に君を愛し続ける。


約束するよ。





< 210 / 297 >

この作品をシェア

pagetop