小さな幸せ
橋を一本渡れば隣の県。

そこから車で30分ほどの所に友人セリのレストランがある。

「何か緊張するな。」

「惣も緊張するなんてことあるんだ?」

「当たり前だろ。初対面なんだから。」

「だって、家の両親、、、あそうかあの時あたし寝てたんだ、、、」

「ああ、そうだよ。思い出した。

 最初は、寝てる和実を抱きあげて、

 2度目は、携帯が繋がらなかった時で

 3度目は、誘拐事件だ。

 人騒がせだよな。

 まともに行ったのは最近じゃないか?」


「あはは、面目ないです。はい。」

惣は懐かしそうに笑いながら、

「そういう、人とちょっと外れた所が妙にツボだったんだよ。」

左手で自分の頭をくしゃっと掴む。

照れた時の惣の癖だ。

私達は婚約して2カ月がたつ。





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