赤い狼と黒い兎Ⅱ



なんかめっちゃ新種のバイクを扱ってるみたいだ。見たことない部品がいくつかあるぞ…。


……そーいや、瑠衣もZⅡだったっけ。


バイクそれぞれの癖ってもんがあるから、弄るときは内部をよく見ろって言われてたっけなー。



『内部ねぇ…。エンジンバラすか』

「そしたら馬力もあがるかもね」

『んー。どうだろうな?やり方次第だな』

「でもバラした方が馬力は上がるんじゃない?ちょっと燃費悪くなるけど」

『いや、燃費悪くならないように馬力上げればイケる…かも』

「かも、かよ(笑)」



保証はねぇからなぁ。バラして戻らなくなったらそれはヤバい。 


そういうときは瑠宇が居るからいいけど。瑠衣の第2の分身。



『まぁ、最初は様子見ながらの解体だなぁ』

「いっそ塗装までしちゃえば?」



なんて笑いながら言う亜稀羅に苦笑いした。



『それはしない。勿体無いし』

「勿体無い?」



ふっと笑ってバイク全体を見た。



『これ、結構綺麗な色じゃん?このままでもカッコいいよ』



そう言うと後ろからデカい声で「ありがとうございます!」って聞こえた。



『ま…好き嫌いも人それぞれだし。個性があっていいんじゃない?』



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