赤い狼と黒い兎Ⅱ



そして黙々と解体作業を始めてから30分。結構いい感じに出来上がってきた。



『ここのネジ…緩い』

「パーツもうちょい増やしたら、結構デカくなりそうじゃない?」

『そうだな…。これでもデカいけど』



亜稀羅は派手目なやつが好きだからなー。自分のバイクめっちゃ派手なのに。



「エンジン結構デカいからちょっと弄れば馬力あがりそうだね」

『エンジン任していい?』

「うん。どんな感じが理想?」

『あんまデカくすると長持ちしなくなるから適度の大きさで』

「了解」



そんな会話をしてるあたし達と、もっぱら蚊帳の外なみんな。


てか何気に唯達も真剣に見てるし…。なんなんだ…。



「エンジンってバラすだけで馬力変わるもんなの?」



いつの間にか隣に来ていた向日葵がそう聞いてきた。



『弄り様に寄ってはな?変なやり方すると馬力どころかエンジンまでバカになる』

「へー!馨、今度俺のやってよ!」



あたしはふっと笑って『また今度な』と言った。



「馨、こんなんでいい?」



そう言われて亜稀羅の手元を見た。


おお、さすが亜稀羅。精密だな。



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