赤い狼と黒い兎Ⅱ
『……そう、かもね』
唯兎の言ってる事は正しい。でもこの状況はいろいろ違うと思うけど。
「だから!お仕置き1」
『…だからって意味分かんない。関係ないと思うけど』
にっこりと笑って言われ、それにすかさず突っ込む。
てか、酒飲んで盛ってるだけじゃないのか?こいつ。
「俺を適当に扱ったお仕置き」
『いつもの事じゃん?今更…』
「それと、素直にならない馨にお仕置きー」
もはや意味が分からん。まったく関係ない。だいたい語尾を伸ばすな。
「異論は認めませーん」
そう言って、近付いてくる唯兎の顔。
何て言うか…逃げる気力も無ければどうにかしようっていう気もない。
『(……たまには、されるがままになっとくか…)』
静かに目を閉じると、唯兎の唇があたしの唇にそっと触れる。
久しぶりの感触になんだかくすぐったい。
唇を甘噛みされ、少し口を開けばそこから唯兎の舌が入ってくる。
『ん…っ』
最初は歯をなぞり、次にあたしの舌を絡め取ってくる。
やっぱ酒飲んで盛ってるんじゃ…?なんて密かに考えたり。
『ぁ…んっ、ゆい…』
「ん、」
唇が離れた、と思いきや唯兎の左手があたしの腹を触ってくる。
…おい!キスだけじゃないのかよっ!?