赤い狼と黒い兎Ⅱ
『やめろ』
タバコな火を点け、今にも喧嘩しそうな2人に声を掛けた。
「馨…」
『お前ら、倉庫掃除1週間やらされたいか?』
キッと鋭く睨めば、2人は顔を青ざめさせて必死に首を横に振っていた。
『なら最初からやんな』
「「すいませんでした…」」
2人はお互いに睨み合いながらもそう言って、思わず溜め息がこぼれた。
何にイラついてんのか知らないけど、ここで暴れられたら人たまりもない。
「怒られてやんのー!」
「2人が喧嘩する時って大概ストレス溜まってんだよね〜?」
「「最近ヒマだから〜っ?」」
そんな爆弾を麻友美と春架に投げ掛けた双子はある意味勇者。
ただてさえイラついてるのにこれ以上面倒事を増やすなよ…。
「……馨さーん、双子がムカつくんですけどー!」
「なんだろ、すごい殺意が芽生えるな…。いつもだけど」
『……ああもう、他所でやって来い。めんどくせぇ…』
そう言って幹部部屋へ行くために階段を登ろうとした。